要点
  • 心筋SPECTで低下を見たときにすぐにperfusion defect (血流欠損)と書かない
  • 負荷時と安静時を比較して、負荷時に誘発される「虚血」と、安静も負荷も低下の「固定性欠損」を区別する
  • 心筋内の梗塞部位と虚血が混在する場合もしばしま認められる
 
 

心筋SPECTの負荷と安静を比較して血流低下の領域の集積の変化を観察する

負荷
安静
所見
判定
正常
正常
正常
正常
低下
正常
fill-in,再分布
虚血心筋
低下
低下
固定欠損
梗塞心筋
低下
さらに低下
逆fill-in,逆再分布
再灌流後
 

正常パターン

  • 安静と負荷でいずれも異常のない場合。
  • 負荷時に軽度の異常があっても、安静時と全く差がない場合、例えば下壁の軽度低下、女性での前壁の軽度低下などは、虚血ではなく減弱アーチファクトであると判定できることもある。
 

虚血

  • 負荷時に低下があるが、安静時にfill-inがあり欠損が消失する場合。典型的には労作性狭心症における、誘発虚血がこれに相当する。Tl-201の場合は、負荷後にTl-201の再分布により欠損が消失することを「再分布」ともいう。
負荷(前壁に虚血)
安静

梗塞

  • 負荷時、安静時ともに欠損が同様に認められる場合。典型的には心筋梗塞による線維化が生じている時には、負荷と安静時でパターンが変わらない。
 

梗塞と虚血の混在

  • 負荷時に低下があり、安静時には完全に正常にはならないが、周辺部のfill-inは低下の程度が軽度になる場合がある。梗塞といっても完全な貫壁性線維化とは限らないため、このような不完全fill-inはしばしば認められる。
 

逆fill-in

  • 負荷時に正常あるいは低下の領域が、安静時にさらに低値に見える場合。通常のfill-inと逆のため、逆fill-in(Tl-201では逆再分布)という表現がされる。血行再建の成功後にしばしば見られる所見である。小範囲の逆fill-inはアーチファクトによる場合がある。

 

[KN: 2010.08.01]