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心臓核医学で用いられる放射性医薬品

要点
  • 心臓核医学の中心的役割を果たす検査は心筋血流イメージングである
  • この他にも心機能、心筋障害、代謝、交感神経系、炎症、などを評価できる放射性医薬品がある
  • 放射性核種の基本的な特徴を理解する 

主な放射性核種とその性質

核種
放出される放射線のエネルギー
半減期
壊変様式
コメント
Tc-99m 140 keV 6時間 核異性体転移 99Mo-99mTcジェネレータで院内標識可能
Tl-201 Hg-X (71 keV), 167 keV 3.0日 電子捕獲 71keVのエネルギーは水銀X線による
I-123 159 keV 13時間 電子捕獲  
F-18 511keV 110分 陽電子、電子捕獲 サイクロトロンでの製造(

 

放射性医薬品とその概要

目的
放射性医薬品
特徴
心筋血流 Tc-99m MIBIまたはtetrofosmin 血流検査の主流となる薬剤で,負荷あるいは安静状態で注射される.gated SPECTにも適している.
心筋血流 Tl-201 歴史的にも血流検査の代表的薬剤.負荷および後期像として安静時画像を撮る.
脂肪酸代謝 I-123 BMIPP 心筋内に脂肪酸として取り込まれ停滞しSPECT検査にも適する.
交感神経 I-123 MIBG ノルエピネフリンと動態が類似し、交感神経終末に貯留し放出される.
心機能 Tc-99m RBC, Tc-99m HSA 赤血球あるいはアルブミンに標識し、血液に一致する分布する.
障害心筋 Tc-99m PYP 急性心筋梗塞の早期あるいは進行する障害心筋に集積する.
炎症 Ga-67 心筋炎、サルコイド心筋病変の活動性のある部位に集積する.
糖代謝 F-18 FDG 心筋生存性(viability)を反映する.PET製剤であるためサイクロトロンで製造あるいは標識済み製剤をデリバリーで入手する

 

[KN: 2010.08.01]