要点
  • 心電図同期心筋SPECTでは、局所の壁運動(motion)をmm単位で、局所の収縮時壁肥厚率(thickening)を%単位で示すことが多い。
  • 中隔のmotionは相対的に低値で、バイパス手術後には低値を示す。
  • 収縮時の壁肥厚率は心尖で高く心基部では低くなり、gated SPECTの壁運動評価に適している。
 
  • Gated SPECTでは、壁運動を評価する際に、motion(mm)とthickening(%)で計算されることが多く、QGSソフトウェアでもこの方法を採用している。
  • Motionは中隔側では生理的にも相対的に低値になる。通常の3次元での心室壁運動シネ表示は、このmotionの輪郭と同じものを見ている。
  • バイパス手術などの外科手術後は、中隔のmotionは心内膜面でみると一見低下に見えるが、thickeningが保たれている。そこで、両者の特徴を理解し、thickeningにより壁運動を評価する方が実際的である。

Polar map

典型的な標準パターンを示す例

 
  • 壁運動の収縮時肥厚率は心尖が高く、心基部で低値になり、中隔と側壁側で大きな差が見られない。
17セグメントモデル
男性
女性
心基部の6セグメント
 
 
mean
25
25
SD
10
9
±2SDの範囲
6-44
6-44
中央の6セグメント
 
 
mean
47
53
SD
9
9
±2SDの範囲
29-66
35-71
心尖の4セグメント
 
 
mean
63
69
SD
11
11
±2SDの範囲
42-84
47-92
心尖部
 
 
mean
74
78
SD
12
12
±2SDの範囲
50-98
53-102
  • 平均-2SDを下限とすれば、男性では中央、心尖寄り、心尖部の各領域で、約30%、40%、50%が目安となり、女性では5%を加えると良い。
 

参考論文

  • JSNM-WG
    • Nakajima K. Normal values for nuclear cardiology: Japanese databases for myocardial perfusion, fatty acid and sympathetic imaging and left ventricular function. Ann Nucl Med 2010; 24:125-135
    • Akhter N, Nakajima K, Okuda K, et al. Regional wall thickening in gated myocardial perfusion SPECT in a Japanese population: Effect of sex, radiotracer, rotation angles and frame rates. Eur J Nucl Med Mol Imaging 2008; 35: 1608-1615

[KN: 2010.08.01, 改訂2011.02.15]