要点
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OSEM法の原理
- 体内に投与した放射性薬剤からのガンマ線の数はポアソン分布に従う.また,投影データには異なる位置からのガンマ線が含まれており,同様にポアソン分布に従っている.
- ポアソン分布での確率分布を実測値(投影データ)と期待値の関係から期待値が最大となる値を算出する方法がmaximum likelihood expectation maximization(MLEM)法であり,この手法の高速化のため投影データをいくつかのグループ(subset)に分割して計算する方法がOSEM法である.
- 適切なsubsetとiteration(逐次近時の回数)を設定する必要がある.
OSEM法の特徴
- 減弱補正,散乱線補正,分解能補正をアルゴリズム内に組み込み可能. -->減弱補正,散乱線補正,分解能補正
- 低カウント領域での信号対雑音比(S/N比)が良い
- 高カウントによるストリークアーチファクトを低減できる (-->フィルター逆投影)
- データを2次元で解析する2D OSEMと3次元で解析する3D OSEMがある.
Romer W et al. Isotropic reconstruction of SPECT data using OSEM3D: correlation with CT.Acad Radiol.2006; 13: 496-502. より改変引用
[KO: 2010.08.01]