メインコンテンツに移動

心電図同期法

要点
  • 心電図同期法は心筋血流と左室機能を同時に評価できる
  • 心電図のR-R間隔を8もしくは16分割し,各トリガーに同期させてSPECTデータを収集する
  • 代表的な左室機能指数である,駆出分画,拡張末期容積,収縮末期容積,壁運動,壁厚肥厚率等を評価する

心電図同期心筋SPECT

  • 下図はR-R間隔を16分割した心電図同期法によって撮像したSPECT像である.
  • Tc-99mでは16分割,Tl-201では8分割にて収集する場合が多い.

心電図同期によって得られる左室機能指数

  • 全体の機能指数
    • 駆出分画(EF):収縮末期容積が小さい症例(<約15ml以下)では過大評価するので注意する(small heart*)
    • 拡張末期容積(EDV)
    • 収縮末期容積(ESV)
  • 局所機能指数
  • 壁運動(下図左):中隔側で相対に低値を示し,側壁にて高値を示す.
  • 壁厚増加率(下図右):心尖で高値を示し,心基部に向かい低くなる傾向がある.

  • 位相分布:心収縮のタイミング異常を評価する。Fourier変換により三角関数近似を行い、その位相のずれをマップ表示や、ヒストグラムとして解析する。

* small heart:小心臓による容積の過小評価と過大評価は、ソフトウェアのアルゴリズムにも依存する。この誤差を補正する方法も提案されており、cardioREPOソフトウェアでも採用されている(Nakajima K, Okuda K, Nyström K, et al. Improved quantification of small hearts for gated myocardial perfusion imaging. Eur J nucl Med Mol Imaging 2013; 40: 1163-70)。

[KO: 2010.08.01+KN201505]