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欠損スコアの考え方

要点
  • スコア化には様々な方法が用いられてきたが、ここでは視覚的評価に基づき正常から欠損までを0-4点で記載する方法を紹介する
  • その合計スコアは重傷度の指標として,予後評価にも用いられる

欠損スコアの付け方

  • 各セグメント毎に正常を0点、完全欠損を4点として以下のようにスコアを付ける
    • 0点:正常心筋血流
    • 1点:軽度の血流低下
    • 2点:中等度の血流低下
    • 3点:高度の血流低下
    • 4点:血流欠損
  • 視覚的な判定を元にスコア化されることが多い。
  • 目安としては心筋内の最大カウントの約50%を、中等度低下と見なすのが実際的である。ただし、この%値は絶対的なものではないので、乳頭筋のような高カウント部位や減弱を考慮して判定する。
  • スコアリングの例:ここでは50%をスコア2になるような目安を用いている.また必ずしもカラー表示が必要ではなく,施設の表示方法に合わせると良い.

    Scoring

 

Summed scoreの考え方

  • 心筋の各セグメントの欠損スコアの合計をsummed scoreで記載することが多い。
  • 合計欠損スコアとしては以下のものを記載する
    • Summed Stress Score: 負荷時の欠損スコア(負荷時の虚血や血流低下を反映)
    • Summed Rest Score:安静時の欠損スコア(心筋梗塞や線維化の量に相当)
    • Summed Difference Score:SSSとSRSの差(負荷により誘発される虚血に相当)

 

17と20セグメントモデルおよび心筋表面の対応パーセント

  • 17と20セグメントモデルによるスコアリングはよく相関する
  • 両者をつなぐ方法として、心筋欠損のスコア(0-4点)の最大カウントで除して表記する方法がある。この場合、17セグメントモデルでは最大が 17x4=68 点、20セグメントモデルでは20x4=80点になるので、その値で除して%で表記する

 

リスクや予後に影響する心筋欠損スコア

  • SSS(負荷時の欠損スコア)をもとにして、リスク評価の観点から次の4分類がよく用いられる
    • 正常,軽度異常,中等度異常,高度異常
    • あるいは,正常,軽症,中等症,重症
SSS
20セグメントモデル
17セグメントモデル
%で表示した場合の概算値
正常
-3
-3
<5%
軽度異常
4-8
4-7
5-10 %
中等度異常
9-13
8-11
10-16%
高度異常
14-
12-
>16%

 

  • あるいは欠損の%を主体にして%スコア=5,10,15,20%を境界として分類することもできる

 

[KN: 2010.08.01, 2011.07.31]