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SPECT再構成法:フィルター逆投影(FBP)

要点
  • シンチレーションカメラを被験者の周りに回転させ投影データを収集し,逆投影することによって断層像を得る手法で、SPECT再構成方法としては広く用いられている
  • 肝臓や胆のうの集積が高い場合はストリークアーチファクトが発生し,心筋の集積に影響を及ぼすことがある

 

フィルター逆投影の原理

  • 身体の周囲からをシンチレーションカメラで撮像して多方向よりγ線を検出する.次いで,ガンマ線の位置および濃度情報をコンピューター上で逆投影し断層像を構築する.
  • 単純に線状に逆投影しただけでは放射状の濃度分布が周辺に生じるため,フィルタにウィンドウカットオフを加えて逆投影すると(線状の逆投影に両側に負の値を入れることに相当する),本来の対象に近い像が得られる.

  • 前処理フィルタとしてノイズ成分を除去のためButterworthフィルタ(低域通過フィルタ),再構成フィルタにはrampフィルタを用いる手法が一般的である.

 

フィルター逆投影によるアーチファクト

  • ストリークアーチファクト
    • 胆嚢に高集積がある場合,心筋の下壁は同一面上にあるためにストリークアーチファクトの影響を受ける可能性が高い
  • フィルター逆投影で再構成を行うと,ストリークアーチファクトが認められる.

  • 垂直長軸断層像では,下壁への大きな影響が見られた(上段).
  • OSEM法にて再構成を行うとアーチファクトを低減可能である(下段).(-->OSEM法)

[KO: 2010.08.01]